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「学童って言っても、資格のある人が面倒見てくれるわけじゃなくて、善意で場所を貸すみたいな感じみたいね。まぁ、オトナの目があるのは良いことだけど……」
母ちゃんがいつまでも考え込んでいるので、ぼくはちょっとイライラした。
「なんか、ヘンなの?」
「……うーん。オヤツ代200円と、万が一の時の連絡先がちゃんとしてれば自由に参加してどうぞって書いてあるけど、こんな緩い条件だったら子どもがたくさん集まっちゃったりしないのかしら? 余りにざっくりしすぎてて、母ちゃん的には心配だなぁ」
「ぼくはもう学童に入ってるから必要ないでしょ。母ちゃんが心配することじゃないと思うよ。それに、ぼくにはフミさんちもあるしね」
母ちゃんはプリントをテーブルの上に置いて、ぼくの顔を正面から見た。
「五百旗頭さんとこ、夏休みに入る前に改めてご挨拶に行っておかないとだわね」
「うん。こないだ樹兄ちゃんが宿題見てくれるって言ってた」
「ほんと、お世話になってばかりね」
母ちゃんは困った顔をして溜息を付いた。
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