しゅわしゅわ 絵日記

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「えっ? な、なんですか? これ……」  二人の様子を見たフミさんは、困った顔をしたまま俺にラムネ瓶を差し出した。 「もー、お前ら振り回すから……。乾杯前に口付けちゃったじゃないか」    俺が呆れて言うと、ホントだ半分減っちゃった、とゲラゲラ笑うまこと君たち。俺は、受け取ったラムネ瓶をスポンと開けると、フミさんに返した。    幽かに広がる甘い香りとしゅわしゅわという炭酸の響き。  恐る恐る受け取ったフミさんに、乾杯しようぜ! と、まこと君とさとる君が無邪気にラムネ瓶を突き出した。 「おら、ボンも飲め」  鹿島さんが脇からラムネ瓶を突き出してくる。俺もラムネを開けて、4人で瓶をコチンと合わせた。  美味しそうにラムネを飲むまこと君とさとる君を見て、フミさんはそっとラムネに口を付けた。  俺は、固唾をのんで見守った。  一口含み、呑み下す。  次の瞬間フミさんの見開いた目が、キラッと光った。  一旦、俺と目を合わせ、諏訪さんを見る。  諏訪さんは、にこにこと微笑んで深く頷いた。    え? フミさんが、文字以外のモノを口に出来た……?    フミさんは、ラムネの瓶を改めて眺めた。 「しゅわしゅわで……甘い……」  心底驚いた顔をして、ラムネの瓶を見つめる。 「……美味しい」  何が起こったのかわからないけど、フミさんはラムネを飲めた。  諏訪さんが、フミさんに何か魔法をかけたのか?   諏訪さんて、一体何者? 
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