しゅわしゅわ 絵日記

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 翌朝の五百旗頭(いおきべ)家。 「世の中の子どもは、もうすぐ夏休みなんだな」  朝のニュース番組を眺めながら、俺は食器を流しへ運んだ。フミさんは、庭先に洗濯物を干し終えて縁側に上がってきたところ。今日はシーツを洗ってくれていた。 「誠一郎さん、夏は忙しそうでした。『夏休み』って誰が休みなんだろうと思っていたのですが、子どもが休みなんですね」    確かに親父は学生が夏休みの期間も、いつもどおり通勤してたっけ。 「土曜日に遊びに来てた まこと君がさ、夏休みの宿題見て欲しいって言ってて、なんだか懐かしくなっちゃってさ、『いいよ』って二つ返事返しちゃったよ」    バターやマヨネーズを冷蔵庫に仕舞いながら、在庫を確認する。 「休みなのに宿題があるんですか?」  キョトンとした顔のフミさん。 「うーん。休みだからこそ、普段は無いタイプの宿題があるんだよ。……フミさん、お豆腐と長ネギ買っておいてくれる?」 「解りました。それだけでいいですか?」 「うん。コーヒーのストックはあるし……」  フミさんは食べないから、一食分何とかなれば大丈夫。 「今夜は、アジの開きを焼くから、ご飯炊いといてくれれば良いや」 「はい」    フミさんはにっこり笑って頷いた。  
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