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夕方、学童保育が終わって、ぼくは学校の校門を出た。
「おーい! まことー!」
後ろから呼ばれて振り返ると、さとるが手を振っていた。手に、何か持っている。
「あれ? さとるも帰るとこ?」
水着の入った袋を揺らしながら、さとるがこちらに駆けてきた。手に持っているのは、竹の筒みたいなものだ。一体なんだろう。
「見て見てこれ!」
追いついたさとるは、手にした竹の筒を見せてきた。なんか棒みたいなのが刺さってる。
「水鉄砲なんだぜ」
「え? 水鉄砲?」
水鉄砲って言うと、プラスチックの銃みたいな形をしているものだと思ってたけど?
「こうやってさ……、注射器みたいに水を吸い上げて、この棒を押し込むと先の穴からピユーッって勢いよく水が出るんだ。午後に来た香取さんと鹿島さんっておじさんたちが作ってくれたんだ」
「へぇ……よくできてるんだねぇ」
ぼくは目を丸くした。さとるは自分が褒められたみたいにドヤ顔をした。
「お昼はみんなで『流しそうめん』したんだぜ。香取さんたちが竹で滑り台みたいなの作ってくれたんだ」
なんだか、神社の学童はすごいところみたいだ。
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