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守るのが務め
「先輩、頑張ってくださいね。白河さんを守ってくださいね」
隣で車を運転しながら、悠人は言う。
今日は、例の決着を付ける日だ。そう、僕たちの天敵とも呼べる彼女に白黒付けさせて諦めさせる日。
悠人に言われなくとも、当然、ナギちゃんは守ってみせるさ。
「勿論だよ。必ず、守ってみせるさ」
「なんか、先輩が言うと何処かの王子みたいっスね?」
「白河さんも、そう思いません?」
悠人はフフっと鼻で笑うと、運転しながら後部座席に座るナギちゃんに聞いた。
笑いながら言うなんて、失礼だな。
てか、運転に集中しろー。
「こら、悠人。おまえは黙って運転してろ」
「別に話してもいいじゃないですかあ。せっかく、後ろに綺麗なプリンセスも居るんだしたまには話したい」
確かに今日のナギちゃんはいつもに増して綺麗だ。
髪もゆる巻にしてメイクも可愛い。この前のデートで買ったドレスも着てることもあってだ。
「…あの、恥ずかしいです」
後部座席に座ってるナギちゃんは消え入りそうな声で呟いた。
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