守るのが務め

1/7

408人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ

守るのが務め

「先輩、頑張ってくださいね。白河さんを守ってくださいね」 隣で車を運転しながら、悠人は言う。 今日は、例の決着を付ける日だ。そう、僕たちの天敵とも呼べる彼女に白黒付けさせて諦めさせる日。 悠人に言われなくとも、当然、ナギちゃんは守ってみせるさ。 「勿論だよ。必ず、守ってみせるさ」 「なんか、先輩が言うと何処かの王子みたいっスね?」 「白河さんも、そう思いません?」 悠人はフフっと鼻で笑うと、運転しながら後部座席に座るナギちゃんに聞いた。 笑いながら言うなんて、失礼だな。 てか、運転に集中しろー。 「こら、悠人。おまえは黙って運転してろ」 「別に話してもいいじゃないですかあ。せっかく、後ろに綺麗なプリンセスも居るんだしたまには話したい」 確かに今日のナギちゃんはいつもに増して綺麗だ。 髪もゆる巻にしてメイクも可愛い。この前のデートで買ったドレスも着てることもあってだ。 「…あの、恥ずかしいです」 後部座席に座ってるナギちゃんは消え入りそうな声で呟いた。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

408人が本棚に入れています
本棚に追加