守るのが務め

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市内の大きなホテルの駐車場に着いた、僕たちは車から降りた。 このホテルが今回のパーティの会場だ。 「真田くん、頭を貸してくれ」 「え?…あ、はい」 何にも知らずに近づいた悠人に僕は頭に平手チョップをかました。 悠人は痛そうに頭を擦りながら、涙目だ。 「社長、痛いです。急に何するんですか〜」 「車で余計な一言を言った罰だよ。ほら、時間が無いから行くぞ」 「ナギちゃん、僕の前から離れないでね」 「う、うん」 「オレ、何にも言ってない気が…」 対峙する時が、刻刻と迫る。出来れば、二度と会いたくない。 金輪際で最後にしたい。いや、そうしてもらう。 ホテルのフロントで、受付を済ませて1階のパーティ会場まで向かう。 ナギちゃんに視線を向けると、不安そうな顔をしていた。 そうだよな、ナギちゃんだって、出来れば顔は見たくない相手だ。だからこそ、守ってあげないと。 「大丈夫だよ。何にも心配はいらないからね」 今日の為に、準備もしてきたんだ。 優しい口調でナギちゃんに微笑むと、コクリと小さく頷いて微笑み返してくれた。 「うん…ありがとう」 この微笑みや笑顔を失う訳にはいかない。
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