守るのが務め

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パーティ会場には、数多くの有名な社長や会長が集まっていた。 「この中にあの人も来てるんですよね」 悠人が周りを見ながら呟いた。間違いなく来てるだろう。 会長の事だから、愛娘を連れて来ないわけがない。ましてや、僕が来ることを知って彼女が参加しない事を選ぶなんてしない筈だ。 ナギちゃんを連れ歩きながら、それほど人が集まってないテーブル席へ移動する。 「真田くん、ナギちゃんに冷たい飲み物持って来てくれるか?」 僕が取りに行きたいところだけど、離れるのは何だか嫌な気がした。 「承知しました。白河さん、何が良いですか?」 「真田さんにお任せします。何があるか分からないから」 「分かりました。じゃあ、とりあえず探してきますね」 悠人は足早に飲み物を取りに行ってくれた。 「ユウく…じゃなくて、佑翔さん…。お皿に、取り分けたんだけどこれで大丈夫ですか?」 気がつけば、ナギちゃんが僕の肩をポンッと叩いてテーブルに並べられた、いくつかの料理を少しずつ盛り付けてくれていた。 待って。今、いつもみたいに愛称じゃなくて「佑翔さん」って言わなかった?
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