絶望から救った救世主

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わたしの荷物を置いていったまま、飛び出して来てしまった。 あのアパートは家賃を折半して借りていたけど、別れ話を切り出されてノコノコと戻れるわけなんてないわ…。 ショックが大きくて、荷物の事なんて考える余裕も無かったから。 逃げ出すように、向かった場所は近くの公園だった。 1人になったのを、きっかけに我慢していた物が壊れて気づけば頬を濡らすように泣いていた。 明日は仕事が休みだとは言うものの、いまのわたしは家なき子状態だ。 実家は遠く離れた、他県にあって帰る訳にもいかない。 大袈裟かも知れないけど、わたしの心は絶望に満ちていた。
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