ありふれた三つの橡林~その25

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ありふれた三つの橡林~その25

8月21日(土) 曇 打ち重なる 雲の 時に 千切れて 薄れ 晴れた 空の 垣間見える けれど 夏の 鮮明な 青い空は もう どこかに 行って しまった のだろうか 雨の 続く 今年の 夏の お盆過ぎ 二上山と 勝手に 呼んでいる 小高い 山を 望む 小さな 橋の 袂に 葛の花 近頃 昔のことを 思い出して 反省する ことの 多くなった 恥ずかしさや 後悔に じりじり 身を焦がす ようにではなく 誤魔化したい とか 言い訳をしたい という 気持ちも薄れて 過去は 現在に ゆくりなく 顔を 出す 雨の多かった 今年の 夏 秋は どんな 姿で 風情で 訪れるのだろう 夏の樹を 覆う 葛の蔓の ように 過去と 現在は 繋がり 今 その 先々に 紫色の 花の 咲き こぼれている よしや どれほど 後悔や 反省することの 多くとも 毎年 毎年 その年の 秋されば 花は 咲く その 花を 愛でては いけないことは ないだろう fb53cd86-8fbd-4929-9e0c-fdfda8a757f2
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