第3話

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「一人だとなかなか作る気になれなくてね。」竜海さんは自嘲気味に笑いながら言った。 そして「桜良の味噌汁が恋しいよ...」とボソリと呟いた。 「えっ?あっ..」 私はびっくりして言葉を詰まらした。 それはどういう意味でいったのだろう? ただ単に私の作ったお味噌汁を懐かしんでるだけ? それとも... 真顔で運転する竜海さんからその真意を読み取ることはできない。 あまり変に期待を抱いてしまったら後でつらくなってしまう。 「ちゃんと食べないと駄目ですよ。 スーパーでも即席で作れるお味噌は 沢山ありますしっ」 私の言葉に竜海さんは一瞬、悲しげな表情を浮かべたような気がした。 しかし、「ありがとう。今度覗いてみるよ」 と話す頃にはいつもの竜海さんに戻っていた。 きっと気のせいだ。 お味噌が恋しいと言うのも単に懐かしんでるだけ.. そう自分に言い聞かせながら 胸の奥がギュッと痛んだ。
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