第3話

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「それじゃあ、行こうか。 最初は水族館を回って最後に変わった生き物展のイベントを覗くので大丈夫ですか?」 禅ちゃんは余程楽しみなのだろう.. パンフレットの地図を眺めながら イキイキとした様子で話し掛けてくる。 竜海さんは「ああ、構わないよ」と首を縦に振る。私も「禅ちゃんに任せるわ」と同じく頷いた。 「よし! じゃあ、桜良ちゃんっ 初めはクラゲを見に行こう!!」 禅ちゃんは 私の手を取るとクラゲコーナーに 向かって駆け出した。 私は「えっ?」と戸惑いながらも その手を振り払うこともできず されるがままに着いていく。 竜海さんが目の前で私を 連れ去られ、 「あんの小僧...」 と頭の血管がブチ切れそうに なっていたなんて知る由もなかった。
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