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容姿端麗、才色兼備。モデル並みの身長とスタイル。完璧な仕事ぶり。
これだけは言っておくが、自分で言ったわけじゃない。私に対する職場の評価で、こんな肩書を付けられて、近寄り難い存在になってしまった。
気が付けば29歳。恋愛や遊びには見向きもせず、ただひたすらに仕事を極めてここまできた。
仕事では有意義ともいえる日々を過ごして来たが、女性としてはどうだっただろう。
答えは簡単だ。まったく有意義ではない。
このまま手をこまねいていたら、私に対して男は、女として見なくなってしまうのではないだろうか。
「枯れちゃう……」
鏡に映る自分の顔を見る度に思うこの頃だ。
新入社員だった時の初々しさと、はつらつとした輝き。鏡を見るのが楽しみだったあの頃。
今はひたすらシミとシワに目を逸らす日々。それに加え潤いのない毎日が、私をどんどん枯らして行く。
私の勤務する株式会社ファイブスター製薬は、創立100周年を迎える老舗企業だ。100年前はこんなしゃれた企業名だったわけじゃなく、「五代製薬」というごく平凡な会社名だった。
前社長の時に、未来に向かって光り輝くという意味を込め、社名変更したのだ。
社名が変わっても老舗企業、一流企業だと言うことは変わらず、常に人気企業ランキングのトップ10内に入る常連だった。
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