廃墟の真実

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大野陸翔の場合 続き    そうそう、椎名はとても可愛く当時クラスの男子から相当モテていた。でもなぜか俺らのグループにいて遊んでたんだ。  なんでなのか……グループの中に椎名の好きな男子がいたからという噂があったはず。  あれ、なんか……いま思うと、二回……俺はそこの廃墟に足を踏み入れてる気がしてきた。その時も誰かと一緒だった。  最初に入ってその誰かと一緒に何かの仕掛けを作っていたはず。  でもそのもう1人以外誰もいないはずなのに気配を感じることが多く、不気味だからやはりやめようと俺は提案した。  そいつは気のせい気のせいと言って、作業を続けていた。フックとワイヤーを天井に取り付け、ワイヤーにさらに何かを括りつけていた。  そうだ、さらに思い出した。立ち止まった時、靴紐はほどけてなかったわ。違う何かの理由があったような……。  あれ、俺……さっき最初に4人組って言ったよね? あれ?  だめだ……ちょっと気分がすぐれないな……  これ以上思い出すのは無理そうだ。
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