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「はい、どちら様でしょうか?」
マイクに話しかけてみる。
「・・・・・・・・・・。」
だが、返事がない。
「あ、あの~・・・もしもし?」
もう一度、僕はマイクに向かって声を掛けてみた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
やはり返事がないので、マイクの電源をオフにした。
「なんなんだよ」
そう言い振り返ると、そこには窓からこちらを除く人の影があった。
それは先輩ではなく、全く出会った事すらない見知らぬ男性だった。
その男は僕と目が合うとゆっくりと姿を暗闇に消した。
僕はと言うと、その場に凍り付いていた。足が全く動かないのだ。
身体は震え、吐き気が出てきて、おまけに思考は完全に混乱していた。
息の仕方がわからなくなってきた・・・。
涙が頬を濡らす。
その時、スマホから着信音が聞こえてきた。
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