中年ヒーローごっこ

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「くそくそくそくそっ!」 どうしても、捨てられない。 役者の夢も、彼女への想いも。 もう三十も半ばに差し掛かってるのだ。 とっくに見捨てられていたのだ。 夢にも、彼女にも。 それは十二分に理解した筈なのに。分かった筈なのに。 「なのに…………どうして」 俺はショッカーだ。しかも、ただショッカーだっただけだ。 ボス敵になれないだけでなく、善意の一般市民でもなく、 しっかりと役割を全うし、ちゃんとヒーローにやられるショッカーにもなれなかった男なのだ。
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