月下のフィナーレ

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夕方6時 俺はマント代わりにしていた赤い風呂敷を片手に持って弟宅を訪れた。 これは覚悟と遠くにいる仲間達との絆の証 風呂敷マントを握りしめインターホンをゆっくり鳴らした。 少し経ってから不機嫌そうに家から出てきた透。 「なんだ?」 冷たい視線と愛想のかけらも無い話し方。 俺は玄関先で土下座をして謝った。 「すみませんでしたぁあああああ!!!今まで本当にすみませんでしたああああ!!独りに、独りにしないでくださぁあい!!!」 家の奥から、俺に気づき陽子と母ちゃんもやってきた。 俺はコンクリートに額をこすりながら何度も謝った。 「これからはぁ!心を入れ替える所存です!!お願いします!許してくださぁああい!!」 何も言わず状況を見守る陽子と母ちゃん 見かねた透は、しゃがんで俺に話しかけてきた。 「兄貴、ひとまず中に入って話そう、顔をあげてくれ」
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