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誕生日パーティーが盛り上がっている頃合いを見計らって、そっと家の外に出た。
ケーキに立っているロウソクの火を消すイベントに
俺はいないほうが良いだろ?
月明かりの光に照らされた花壇に咲く花に向かって
俺は敬礼しながら呟いた。
かすかに外まで聞こえる笑い声
そこは幸せが詰まっている空間
あとは楽しんでくれ
夜空に向かってタバコの煙をふかしながら、ゆっくりと歩いてアパートに向かった。
さっきまでの賑やかな雰囲気とは違い。
暗く物静かな部屋の中
孤独という文字がここまで似合うのは
俺くらいかもな、はは
電気もつけずに笑いながら布団に倒れ込んだ。
ふとパソコンに目をやると
ずっと起動していないパソコン画面は
寂しそうにこっちを向いている様に見えた。
半年も経ったか…
たまには良いかな…
俺はパソコンの電源を入れ
マウスを握りしめた。
《完》
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