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「りっくん、ご飯は何か食べた?」
「お昼にちょっとだけおかゆ食べたよ。お母さんが作ってくれた。でもなんか、お腹空いてきちゃったかも」
「りんごすりおろしたやつ、食べる?」
「食べる!」
ミノムシ状態でにこにこと頷いたりっくんがたまらなく愛おしい。じゃあちょっと待ってて、と私は言いながら腰を上げた。
「ちさ姉ちゃん」
「うん?」
「…ありがとう」
「ん?何がありがとう?」
もう一度しゃがみ込んで、布団に埋もれているりっくんの顔を覗く。
「…来てくれて。僕、今日保育園お休みしたのに」
「そりゃあ来るよ。熱出したってお兄ちゃんから連絡来て、もう心配で心配で」
「…心配かけてごめんなさい」
体調が悪いのとはまた別の意味で、りっくんの様子がいつもと違う。
思っていたよりも元気そう、なんてさっきは思ったけれど、今目の前にいるりっくんは、明らかに元気が無かった。急に表情が陰り始めていた。
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