4.お兄ちゃんは僕のことが嫌いなの?

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 ハグした状態のまま、「ちさ姉ちゃん、今日は夜ごはんどうするの?」とりっくんが聞いてきた。 「そうだなぁ…りっくん、夜ごはんは普通に食べられそうかな?」 「僕、ちさ姉ちゃんがたまに作ってくれる、冷たいスパゲッティ食べたい」  早速のリクエスト。もうだいぶ平熱に近付いているし、逆にしっかり食事を取った方が、体力も回復するかもしれない。  普段から、りっくんを保育園まで迎えに行って、家に送り届けた後も、基本的にそのまま家に留まることが多かった。  りっくんの遊び相手をしたり、りっくんの穴の空いた靴下を直したり、りっくんが一人でお絵描きしている間に自分の宿題をやったり。  りっくんのお母さんが作り置きを冷蔵庫に入れておいてくれてることもあるけれど、それが無かったりする時は、私が夜ごはんを作って一緒に食べることも多かった。  さっきりっくんが言っていたのは、トマトとツナとオクラが入った冷製パスタのことで、これがりっくんに大好評だった。 「じゃあ、これからちょっと買い出し行ってこようかな。すぐ帰ってくるから、待てる?」 「もう、大丈夫だよー。お兄ちゃんもいるもん」 「何かあったら、遠慮しないでお兄ちゃんの部屋入っちゃっていいんだからね。多分イヤホンしてるから、部屋のドア思いっきりドンドンしてね」  笑いながら「はーい」と返事したりっくんは、もうすっかりいつも通りだった。  空のお皿を回収して、まずは冷蔵庫の中身チェックしなきゃ、ツナ缶は確かまだあったような、そんなことを考えながら、ようやく私は安心して部屋を出ることができた。
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