4.お兄ちゃんは僕のことが嫌いなの?

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「パスタだけじゃ物足りなくない?俺、あれ作ろうかな。ジャーマンポテト」 「えっ、嘘、作ってくれるの⁉」  本当に、今日の新はどうしたというのだろう。勉強のし過ぎで頭がショートしてしまったのだろうか。  新は、自分の得意料理はジャーマンポテトだと普段から豪語している。  休みの日、家で一緒に過ごしている時に何度か作ってくれたことがあって、確かに絶品だった。ちなみにりっくんは、この新特製ジャーマンポテトも大好きだ。 「じゃがいも、玉ねぎ、ベーコン…この中で家に無いのって?」 「んーと、じゃがいもが無いかも。ベーコンは冷凍してあるのがまだ結構残ってた。玉ねぎはあったから、じゃあ…じゃがいもだけ買ってくればいい?」 「うん。…っていうか、俺も一緒に行く」  一瞬、耳を疑った。珍事が立て続けに起こりすぎて、正直ちょっと頭がついていかない。  そんな困惑気味の私を見て「何て顔してんだよ。これも一応デートみたいなものだろ」なんて新は言った。全く、新のマイペースな言動に振り回されるこっちの身にもなってほしい。  思わず盛大なため息をついてしまったけれど、でも、決して嫌な気持ちではなかった。だって、たとえ行き先が近所のスーパーだとしても、久しぶりに新と並んでゆっくり歩くことができるのだから。
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