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「ちさ姉ちゃんは大人に近いから、注意してくれる人がいなんいでしょ。でも僕、それってずるいと思う。子どもは怒られるけど、大人は怒られなくてもいいの?」
ポッキーの件でそれを持ち出すか、とは思ったけれど、的を得ている発言ではある。
私はまだ未成年だけど、確かにこれから年齢を重ねていくにつれて、誰かから怒られる場面は減っていくのかもしれない。大人は、自由の範囲が広い。けれどそこには必ず、責任というものがついて回ってくるのだろう。
「えっとねりっくん、私はポッキーが嫌いなわけじゃないんだよ。これは『好み』っていう感覚の話になるんだけどね」
「かんかくってどういうこと?」
いけない、ちょっと難しい言い方をしてしまった。
ハの字になってしまったりっくんの眉の形を元に戻すために、私はまた頭の中で、分かりやすい言葉を搔き集め始めた。
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