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「先の子はもう殺されているかもしれぬ。血鬼の血を引いた赤子など許すはずがなかろう」
「でも……」
それ以上は何も言わなくなった。
赤子も落ち着いたのか今は静かに寝ている。まだ柔らかな髪を撫でた。
「お前に似て愛らしいな」
「眉の辺りはあなたに似ています」
「じゃじゃ馬の血を引いているからな。きっと元気な子になるだろう」
「酷い」
久しぶりに愛する者の笑顔を見た。
ずっとこんな時が続けばいい。そう願わずにはいられない。
「皆本の家へ戻ろう」
「はい」
一縷の望みをかけて引き返す。
だがそれは水泡に帰する夢でしかなかった。
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