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 いまのあたしの服装は、ニーソックスに、ひざ(たけ)のキュロットスカート。トップスは長そでのニットシャツの上に、薄手のパーカー。がっちりと固めたスキのない服、つまり色気のない服だ。  その服の下で、具体的に言えばおなかのところで、皮ふにうろこが出始めている。見えない部分だけど、独特のムズムズした感じがするから、わかるのだ。 (まずい)  と、またあたしは思った。  うろこが出るということは、あたしの体に禁断症状が出てきているということだ。このまま放っておけば、もうすぐ寄生種の姿に変わってしまう。  こういうことだ。  あたしは四年前、当時十一歳だった黒川(くろかわ)(さき)の体に寄生した。寄生する前は原始的な幼虫のような生命体で、特に意識というのはなかったけど、寄生して意識ができた。  それ以来、あたしは「サキ」という名前を自分でつけて、(さき)と共同でこの体を使わせてもらっている。  あたしたち寄生種の特徴として、人間を食べるということがあげられる。人間しか食べないというわけではなく、ごく普通の食事を普段はとっている。でも、定期的に人間の血や肉を摂取しないと禁断症状が出て、寄生種の姿に変化してしまう。それはおぞましい怪物の姿だ。  禁断症状が出るまでの期間は、だいたい五週間だ。だから、あたしたち寄生種の仲間は、四週に一度集まり、事故や自殺で死んだ人間の肉を分け合って食べる。食べると言っても、ほんの一口か二口だ。その程度で十分に禁断症状はおさまるのだ。「食料」は切れることのないように、ちゃんと保存してあって、そういう定期の食事会に提供されることになっている。
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