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寮も割とご都合主義っぽく片付いたので、私はふらりとその場を歩いていた。ついでに少しでも道を覚えておきたい。
それにしてもひっろい。流石王道。私、今日1日で何回王道って言ったんだろう。
そんなことをぼんやり考えながら地図を片手に散策する。この学校は、教室、職員室などがある本校舎通称A棟、音楽室などの専科教室があって本校舎と渡り廊下ですぐに行ける専科校舎通称B棟、B棟の端っこにあるEクラスのためのC棟、そして生徒会室や風紀室、理事長室や応接室などが兼ね備えられていて基本ブラックカード所持者しか入れない特別校舎通称特棟があり、その周りに、第二まである体育館、沢山の蔵書を持つ図書館がある。因みに食堂はB棟の一階ね。大きなグラウンドも持っている。
寮は校舎から少し離れた所にあり、これまたホテルか?!って感じだ。1階はフロントと売店と、あと寮監室。2〜4階は一般生徒のフロアで、各生徒、部屋は3年間一緒だ。最上階である5階は、生徒会役員と一部の特例生徒が1人一部屋を使っている。エレベーター式なのだが、5階にはブラックカード以上が必要だ。
うーん、改めて言葉にすると如何にこの学校が広いのかよくわかる。
因みに私が歩いているのは、寮からA棟への道だ。殆ど人がおらず、少し過ごしやすい。はっ、何か私のセンサーが反応した!!そうよね、人気がない時間帯に外でしてるんですね?!直感に従ってそろりと脇道に行く。しばらく歩くとどこぞの校舎の裏らしきものが見えた。
(音を立てぬように......いたっ!!!待って、本物のBLだ.....!!)
案の定2人の人がいて、1人が覆い被さるようにもう1人にキスをしていた。濃いやつ。流石に声は聞こえないけど受け君が抗議してるっぽい。さしづめ外は嫌だって言ってるのかなぁ。(大正解☆)
何にせよかわええ...。
あれから攻め君が受け君にお触りしてたけど、それでも諦めずに抗議していた受け君に押し負け、お姫様抱っこで(!)去っていった。
これからお楽しみですか。
それにしても、
「「王道学園、やっぱり良い!!」」
へっ?近くだけど若干違う茂みから声が聞こえた。しかも明らかな同士。せっかくの同士、仲良くしたいので声をかけさせていただく。
「あの、同士の方です?」
ガサリ
「ええ、まぁ。さっきの最高でしたね...。」
現れたのはまさかのゲーム主人公の蒼君(”ちゃん“?やっぱ“君”で)でした!!因みにチャラ男スタイルの金髪だけれど、さっきの興奮からか普通に素みたいだ。
(はわわ、推しが、最推しがいりゅ...)
「ねぇ。...あの、あなたって俗に言う偽チャラ男腐男子、ですか?」
「.......ッハッ!!あ〜うん、そうだよぉ〜。」
「ふふ、別に良いですよ、演技。チャラ男腐男子大好きです!!」
「ねぇ、君。......連絡先、交換しない?」
「良いですねぇ。萌え発見したら報告しますね。えっと...」
「あ、名乗って無かったな。わ..俺は月城 蒼。よろしく。」
私って言いかけてるぅ〜。きゃわわ。
「僕は天塚 蓮です。よろしくお願いします!」
「敬語いいよ。」
「え、ありがとう。...蒼君」
ちょっと蒼君の頬が赤くなった気がしたけど、気のせいかな。
何にせよ腐仲間ができた。めっちゃ語った。
「次はどこ行こうか...あ、あそこ行こう!!」
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