事の始まり

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順を追って説明しようか。 まず、私は何処にでも居るような極々普通の女性だった。成績はそこそこ良かったから 、まぁ一流大学に入って結構評判の良い職場に内定が決まって、これから社会人だってときに電車のホームから落ちた。逆恨みとかでは無くて、ゼミの飲み会帰りに別の酔っ払い集団の喧嘩に巻き込まれた。本当についてない。なぁんて思いながら迫り来る電車を横目に見つつ私は目を閉じた。 で。目を開けたら美人な女性がいた。なぜか首は動かせないから目線だけ横を見るとやけに短い腕にふっくらとしたお手手、赤ちゃんになっていた。アッ、転生ですね、分かります。って!わかるかぁ!! その後の私は中身成人ながらも赤子の羞恥プレイに耐えつつ成長していった。ついでに情報も収集した。 まず、この世界は転生前とほとんど変わらない現代風な世界だった。地名は一緒。 次、私は結構良いところのお嬢さんだった。つってもそんなお城みたいな豪邸とか何人もいる使用人さんとかは居ないけど、広いお家に、お手伝いさんも居る。 因みに名前は凛。苗字は天塚。天塚凛ってなんかカッコいいし可愛い。しかもちょっとおっきくなって(小学生くらい)気づいたけど今世の容姿は名前負けしてないくらい綺麗。 そして、割と生前より良い状況に囲まれて転生ライフを満喫してた。 そこで、何でいきなり“わたみた”が出てくるかなんですけど。小学校に上がって、二年生になって数ヶ月過ごしたくらいのある日、六年生に転校生がやって来たんだ。すっごい美形な男子。ちょっと垂れ目気味な瞳に綺麗な黒髪。右目に泣き黒子。そして、名前は風間 直樹。彼はわたみたの攻略対象の一人と酷似していた。ってか名前も一緒、容姿の特徴も似ていて、美形って役満じゃない? ゲーム内では、保険医で保健室でチワワちゃんとにゃんにゃんしているキャラだった。保険医だから主人公の性別に気付き、はじめは何故ここに来たのかを疑っていた(王道学園にはいいとこのお坊ちゃんがたくさんいる。)けど、段々主人公の性格を理解して、残念な(お腐れ)思考も知って、良き理解者になる。主人公と交流を重ねているうちに好きになって...という展開だ。なんで何年も経ったのに分かったかって?彼が私の2番目の推しだからだよ!!あ、最推しはさっきも言った気がするけど主人公の蒼君(ちゃん)です。 一応他人の空似とか、転生者の親が付けた名前だとか、疑って学園を調べてみたのだけれど。 ...結果。あった。色々ゲームと被ってた。まず、ゲームの舞台である、私立傾城学園高等部が存在して、かつ全寮制男子校だった。あと、主な攻略対象の苗字の財閥(いいとこのおry(()もあった。作中の地名もあった(それは前もあったかもだけれど。)。 ......ハァ、まじかよ。 よし、取り敢えず風間さんとお友達になろう。いい萌え材料になるし、イケメンは単純に目の保養だ。推しとも絡みたいし。
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