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さあ、今日は寝るかと思いながら、信長の最期を見届ける。
余韻に浸りながらエンドロール画面を待っていると、いきなりモニターがブルースクリーンに変わり、OSがクラッシュした。
やれやれ、少しパラメーターをいじりすぎたかと反省して、寝るためにパソコンを強制終了させる。データファイルはともかく、メモリーエディタで直接パラメーターを書き換えると、こうした事故がしばしば発生する。
特に気にすることもなく慎哉はベッドに潜り込んだ。
明日は一限に語学があるから早く寝なくては。
今回の設定は非常にいい感じで決まったため、ついついのめり込んでここ数日睡眠不足になっていた。
おかげでベッドに入って数分で眠りにつけた。
夢を見ることもなく熟睡していた慎哉は、顔の前に誰かがいるような気配がして目が覚める。
徐々にクリアになる視界の中で、ゲームの中の信長と同じ顔が、自分を覗き込んでいることに気づいた。
「ヒィー」
誰もいないはずの部屋の中に、見知らぬ男の存在を認識し、パニックのあまり悲鳴を上げてしまった。
(黙れ)
鋭い声で叱責されて、思わず次の言葉を飲み込んだ。
男は黙って部屋の中を見回し、それから慎哉の顔を凝視する。
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