こぼれる砂のひとかけを

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ひとはみな なにかを 掬いあげようとして ゆびの すきまから たくさんのものを落としながら 歩いていく 手からこぼれて 波打ち際に落ちた 砂のひとかけのように もう二度と触れられない たいせつな  自分の一部だったもの 明るいきもちだけじゃない 悲しみも怒りも 憎しみも蔑みも 妬みも苛立ちもすべて そこにあったと証明したいから 旋律を 言葉を なにかを 紡いでいくんだな
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