実家怪談「この家、誰かいるんです」

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実家怪談「この家、誰かいるんです」

これは作者の実家で本当にあった不思議な話を集めたものです。 私の実家は、昭和40年代に建てられた木造注文住宅で、両親と姉と私の四人で住んでいました。 父は数年前に鬼籍へ、姉は地方に嫁ぎ、私も結婚して実家を離れ、一人住んでいた母も自立型介護アパートへ転居。今は賃貸に出して他の家族が住んでいます。 南向きで日当たり抜群。広い庭に縁側。駐車場2台分。一部屋一部屋が大きく、趣ある外観のため入居希望が途絶えることなく使われています。 古民家カフェをやりたいから売りに出すときは教えて欲しいと言われることもあったり、なぜか人気の家です。 建っている場所は、同じ時期に造成して売り出した当時の新興住宅街で、周囲には同時期に引っ越してきた家族ばかり住んでいました。 どの家も同じくらいの子供がいて、近くに学校がなかったので小学校も中学校もバス通学でした。 我が家が建てられてから数年もすると、プレハブ住宅が世の中に出回りだし、新しく建てられる家は木造ではなくプレハブが増えました。 建てられた当初は綺麗な家だなと思っても、どれも長く持たず、20年も経つと取り壊れされて建て直すことが多く、また、同時期に建てられた家でも、30年もするとほとんど取り壊されて建て替えられるか、売ってしまい、買い取った不動産会社が一つ建っていた場所に2棟や3棟建てて売りに出されることが多かったです。 私の実家のように、築50年あまり経っても建て替えなく住める家というのはなかなかないと思います。 それぐらいしっかり建てられた家なのですが、私には全く愛着がありません。 それというのも、この家では数々の心霊現象が起きたからです。 どこか怖いのです。 自分の実家なので寂しい限りですが、帰りたいとも残してほしいとも一つも思わない家なのです。 具体的にどんなことがあったのか、次のページから書いていきます。
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