老人の故郷へ

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 どうにかわしの田舎に着いたが、足跡をたどる為に昔れんが住んでおった家まで行ってみた。とにかくこの田舎はバスが何時間に1本じゃから、待ちながら行くのが大変じゃ。  レンタカーを借りる手もあったが、わしは既に免許を返納しておるし、アンジにいたっては死神は免許を持たないと言い張る。  千円札を万札に帰れるくせに、免許を作れないのはどういう事じゃと言いたかったが、そんな事を言ってもどうにもならんからあきらめたわい。   そして久しぶりの生まれ故郷に帰って来たわい。  最後に帰って来たのが親の葬式以来じゃし、約30年ぶりじゃな。  あの時は婆さんや子供もおったし、とてもれんの事を気にする余裕はなかった。  もう当時のわしの実家は取り壊したし、れんの家の方にわしらは向かっていった。  そこにたどり着くと、見知らぬ家があり、わしは戸惑いながらもインターホンを押す。
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