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「おー、お前なんか不良っぽくねーじゃん。細ぇし弱そー。」
そりゃ不良じゃないですからね、もう。
「ねーねー、オレらが怖くないのー?」
あー怖い怖い怖いですとも。ピアスの開けすぎで千切れそうな耳を見るたびドキがムネムネしていますー。
「テメェこんな細ぇしちゃんとメシ食ってんのかああ゛ん?」
そんなみんなで細ぇ細ぇ言わんでもいいじゃん。筋肉ちゃんとついてるはずだからいいんだって。
「……。」
滅茶苦茶困ってる助けてよ阿久津様。
「はぁ。お前らうるせぇ。海崎が困っているだろーが。」
「えぇ〜だってぇ。んー、ごめんねぇ?
ちょっと見ない顔だったから。」
不良が目の前に三人並んだ。左から赤、黄色、青髪だ。信号三兄弟かよ!すげー
しかも赤髪と青髪は大分似ている。双子だろうか。
「じゃあ、自己紹介してもいいかな。
僕はぁ真鍋壱太!」黄色がいう。
「真鍋弍太」続いて青。
「真鍋参太」最後に赤。
え、みんな兄弟?
「実は僕たちぃ〜、三つ子なのだぁ!!」
信号三兄弟が本当に兄弟だった。しかも三つ子。今まで十数年間生きてきたが三つ子にあったのは初めてだ。
「そうなのか。凄いですね。俺は海崎碧です。よろしくお願いします。」
「うん!よろしくねぇ!」
みんな不良だけどこんな出会いもいいかもしれない。
どうしてこうなったのか…
あの後、寮で阿久津に夕飯食べたか聞いたところ、食べていないらしかったので、俺も俺もって食い気味に言ったら、「食堂に連れて行ってやる。」
と連れて行ってくれた。
はるか遅くまでやっている食堂に疑問を感じつつもご飯が食べれればいいやっと投げやりになった。
だが、いざ来てみると夜中の食堂は不良の巣窟だった。
そんなの聞いてねぇよ。
そんで信号三兄弟に絡まれちゃったわけ。
平和に終わったけど。
ご飯はどっかの高級ホテルと同じくらい美味しいけど不良に絡まれるとか聞いてねぇよ。
「言ってねぇからな。」
え、?
「口に出てた?」
「いや顔だ。」
「え、俺わかりにくいってよく言われるよ。」
「それは同意する。」
えー。洞察力の違いっていうわけか。
阿久津すげー。ちょっとポーカーフェイス鍛えなきゃ。
そのあと、美味しくご飯を平らげ、平和に?
一日が終わった。長かった…
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