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日常
ピピピピ…
「ん。」もう朝だ。起きよ。
何かと濃密な入学式が終わって早くも何日か経った。新鮮で結構楽しく高校生活を謳歌している。
そんな俺の朝の新しい日課。それは朝食作りである。自分の分とあともう1人これから帰ってくる同室者の分だ。あいつ、2日に一回寮から抜け出してんのまじでありえない。
とはいえ、朝にちゃんと帰ってくるんならそれでいい。気になるが過干渉はしない。
まだ何日かしか共に過ごしていないが、阿久津とは性格の相性が良いのか結構打ち解けた。
自惚れじゃないといいけどあいつも結構楽しそうではある。
昨日も阿久津は外に出たらしくまだ帰ってきていない。まあじきに戻ってくるはずだ。
ちなみに今朝の朝食はフレンチトースト。
甘党なカワイイ阿久津きゅんのリクエストなんだよな。
なんて言ったら不良パンチでしばかれそうだけど。でも、昨日の夜「明日朝は甘いものがいい。」って言っていたから、間違えてはない。
ジューー
おー。いー感じに焼けてる。うまそー。
我ながら上出来じゃん?
かなーり久しぶりだったからレシピ動画見直してよかったー。
ガチャコンッ
あ、阿久津帰ってきた。
「海崎。」いや、ただいまくらい言えし。と思わなくもないが、期待はしない。
「あー。お帰り。今日はいつもよりちょっと遅いのな。」
「寝坊した。お、美味そう。」
おお。めっちゃ寄ってくるな。そんなにトースト気になる?
「ほらー、早よ手洗って座ってろよー。もうそろそろできるから。」
「ん。」
あとは盛り付けてっと、出来た。
「お、早えな。はい、フレンチトースト。お前こういうの好きだろ。」
こらこら目ぇそらすんじゃないよ。素直に頷いちゃいなさい。強面も和らぐから。
「好きなんだろー。素直に言ってみなー。
ほーらっ、すーきー!」
やべぇ。俺今多分凄い顔してる。超ニヤついてる。眼尻下がりまくってる気がする。ごめん。
インス○でフレンチトーストの作り方観ていたの見ちゃったから、面白くて仕方がない。
「ッ好きだ。」お、吹っ切れたか。
出たなイケメン俺の敵。
「お前絶対モテるだろ。今の告白だったら100%成功だって。」
「うっせ。それより食いたい。」
あーあー。そんな顔して笑うなって強面どこ行った。帰って来い。
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