日常

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朝食を食べ終わって準備をして学校に行く。 「阿久津ー。」「今行く。」 今日もこうして登校する。ぼっちより絶対的に楽しくて断然いい。 「はぁー。今日もまだ肌寒い。」 「いや、十分あったけぇって。」  ん?それはつまり俺が寒がりなのか。 そんなたわいもない会話をしながら学校に向かう。 「海ー!!おはよ〜!」 あ、瑠衣だ。 「おはよう。今日も元気だな。」 「うん!俺、元気だけは有り余ってるって良く言われる!」 「いやー。若いね。」  「え〜、何そのおじーちゃん発言!!」 あ、そういや聞きたいことがあった。 「そういえば瑠衣と阿久津って部活決めた?」 俺はまだ決めてないんだよな。めっちゃ勧誘してくるとこあるけど。 「俺、サッカー部って決めてるんだよねぇー」  あー確かに瑠衣っぽい。 「阿久津は?」 「俺は帰りたい。」あ、帰宅部ね。 「阿久津くん本音ダダ漏れぇ〜、ア、そんなお顔しないでぇ」 ん?どんな顔だ? 「阿久津?」 「なんだ。俺は元々こんな顔だ。」 うんうんそうだよな。 「そー、そーみたいです俺の見間違いです。」 なんかあったんかな。 くだらない会話を続けて教室に入る。 「きゃっ、瑠衣様だっ!」 「海崎様も今日この時間なのか。 かっこいいー…ッひェ」 (めっちゃ阿久津様が睨んでくる。ひぃ目線で殺されちゃう) そんなやりとりに気づくはずもなく俺は席についた。 黒板には相変わらず綺麗な字で日付が書かれていた。 んで、俺はここで重要なことに気がついた。 俺の出席番号は14番。 そして今日の日付は4月14日。 つまりだ。今日は当たる日。授業で集中攻撃を喰らう日である。 しかも今日は英語がある。 松野先生にいじめられちゃう…難問で。 あの人はいい意味でも悪い意味でも超スパルタだ。俺は今から頭が痛い。 ひとりで精神的な頭痛と闘っていたら、隣から声がかけられた。 「あの、海崎、」 「ん。どうした?」 室長だ。雑用が多いという噂から誰も立候補しなかったなか、果敢に挙手をしたこのクラスの英雄だ。 「消しゴム2個持っていたりするか?」 「ああ、持ってる。どうぞ。使いにくかったら言ってな。」 「すまない。本当にありがとう。」 「いーのいーの。室長も学期始まったばかりなのに忙しそうだよな。」 「ああ、全くだ。今日も居残りらしい。」 メガネを上げながら気だるげに言う。 「ブラックー。」 さすが英雄。お疲れ様です。
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