175人が本棚に入れています
本棚に追加
ガラガラガラ
「きゃー!陸先生ぇー!!!!おはようございまーーす!!!!」
「ホストぉぅぉぅぉ〜!」
最初は戸惑いしかなかったこの黄土色の声にも慣れつつある。
「SHR始めっぞー。今日もお前ら全員いるよなぁ。いないやつ手ぇ挙げろぉー。」
はーい!!
なんて手を挙げる猛者は流石にいないようだ。
最初はめっちゃ期待していたが。
「じゃー連絡事項は以上だ。じゃーなぁ〜」
入れ替わりに古典のおじいちゃん先生が入ってきて今日も授業が始まる。
この学校は授業の進度がとてつもなく速いので重要科目の授業でうたた寝をしている暇はない。
だからか、英数国以外の地理や、現社で内職したり、魂を飛ばしながら授業とか疲れをリカバってる人が多い。
まぁ、どの高校でも似たようなものだと思う。
一旦集中すれば時間が経つのは早い。
今日はすでにいろんな教科で当てられたが幸いまだ大きなヘマはしていない。
だがしかし、次の4限が山場なんですわ。
キーンコーンカーンコーン
ガラガラガラ
「それでは授業を始めます。
Stand up, please.」
松野様が教卓に君臨しました。アーメン。
「Good morning everyone.」
相変わらず発音がネイティヴ。
「「グッモーニンミスターマツノォォ」」
「OK. Please sit down.」
こっからは松野様が流暢な英語で授業を進めていく。
「Before we move back to our textbook, I want you to answer a grammar question.」
おうふ。松野様恒例の激ムズ文法問題。毎回テキストの内容をやる前に当てられるんだよな。
「So, today is April 14, Aoi please answer this question.」
ほらやっぱり当たったー。
この学校生徒の当て方が日付けとか王道すぎる。いや、もっとさ、4足す14(4月14日)で18番とかでもいいんだよ???
うーんと、問題の答えは…
…あい。わかりまてん。
なんて言えたらどれだけ楽だろうか。
松野様の授業で黙ると質問攻めされて結局何かしら答えさせられる。最初になんか答えた方が楽だ。
取り敢えず答えの日本語訳を文脈に合いそうな感じでしどろもどろと答えた。
「Yes. 」バチ⭐︎
ひぇ、ウィンク。
クラスのあちらこちらから感嘆の声が上がる。
どうやら方向性は合っていたようだ。
だけど、みんな気がついていないのだろうか。
松野様めちゃくちゃ目力がやばかった。
これはあれだ。適当に答えたのがバレちゃったパターン。
終わった…
「でもね、Aoiこっちの訳し方の方がいいね。」
ハイ…ソーデスネ
そんなこんなでやっと英語が終わり、冷や汗をやっと止めることができた。
最初のコメントを投稿しよう!