175人が本棚に入れています
本棚に追加
薄情者の阿久津に置いて行かれたせいで
今水泳部に捕まっている。
漫研部は他の人のところに行ってしまった。
あの冷やかし兼部幽霊さんは何だったのか。
「すみません。俺、どこの部活にも所属するつもりはないです。帰るのは寮だけど帰宅部まっしぐらなんで。」
申し訳なさそうな顔をすればわかってくれるかなと思い。眉を少し下げて言った。
「、っ、お前凄く運動神経が良さそうなのにもったいねーな。」
と水泳部の先輩は言うけどこれはもう自分の中では決定事項なのだ。もう曲げられまい。
「まぁしゃーないわな、お前、どの運動部にも入らないんだよな??」
「はい。運動は好きですが、そのつもりでいます。」
おお。水泳部の先輩結構簡単に折れてくれているのでは?優しいじゃん。色んなとこと違って話通じるじゃん。
「じゃあそんなお前に役立つ情報だ。この先の廊下にはおそらくバスケ部が待ち伏せしている。あいつらは俺ら水泳部と違って話が通じん。一昨年に勧誘方法に関して生徒会から忠告を受けたみたいだが、方針があまり変わっていないそうだ。だから違うルートで帰ることをオススメするよ。」
「うわ、まじですか。知りませんでした。本当にありがとうございます。」
めっっちゃ親切ぅー
「いやいや、情報間違ってたらごめんけど、ここでお前をバスケ部に取られちゃうのは俺としてもなんだかなってところがあるから気にすんな。またどっかであったら気軽に声かけてな!じゃーな。」
「はい!本当にありがとうございました。」
先輩がいい人すぎるー。ナイス情報。
さて、先輩に教えてもらった通り回れ右をして階段を降りて一階下の廊下を通って帰ろう。
あ、いや、やっぱ一個下も危ないから念には念を重ねてもう一個下に行くべきか。
うん。そうしよう。
先輩に軽く会釈をして廊下の逆を進んだ。
最初のコメントを投稿しよう!