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入学
校長はハゲ。スキンケアがバッチリなようで頭が眩しい。
今は入学式の途中で、校長の長い長い話を聞いているところ。
「……えー、改めて皆様が東郷坂学園に入学してくださったことについて謝辞を申し上げます。私からの話は以上です。」
あ。終わった。でも入学式はまだまだ続く。
長ぇんだよ。
おっといけない。口が悪いのは治りそうもないのだ。
この学園について軽く紹介していこう。
一言でいうと御坊ちゃまが集まる偏差値が高い全寮制男子高校である。
幼稚園から大学まであるんだとか。
俺は特待生として高校から入学した。
だって学費とか免除らしいから。
まぁ家庭の事情っちゃそうだけどさ。
あとは、目の当たりにしてないからまだ「是」
とも言えないが、この学園は恋愛対象が異常なほど男に傾くらしい。女子がいなくて耐えれそうもない俺とかは少数派らしい。
ということで俺は枯れた青春を送ることになる。うぅ。悲しい。
というか、椅子の座り心地が尋常じゃなく良い。
ふかふかだ。ここでも金持ち効果が発揮されるのか。いくらだろう、このパイプ椅子。
「ぎぃゃぁぁあああああ」
うぉっ。耳が。っていつの間にか寝てた。
状況を確認したい。
えーっと、「静かにしろ。」
あ、イケメン。
舞台上には酷く顔が整った男が佇んでいた。
「かいちょぉーさまぁーーー!!!」
なお、騒ぐ生徒の歓声によると男はこの学園の生徒会長らしい。だからあんなにも堂々としていたのか。「だからお前ら静かにしろ。」
苛立ったように再び言う。
「、、、」流石に静かになったようだ。
「入学おめでとう。生徒会長の世良龍樹だ。これからの学園生活を是非楽しんで欲しい。あまり式を長くしたくないので以上とする。」
会長が笑みを浮かべると
きゃーだのうぉーだの場はとても盛り上がった。
それからは進行が滞りなくされ、式は無事終了した。慣れない環境や雰囲気、
男が男にきゃーきゃー言うことには驚いたが、時を経てば慣れるはずだと自己完結した。
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