入学

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あ、アケミィ、あけみ、明美ぃ......とは誰なのか。女の人の名前だよな。 流石にあけみくんに出会ったことはない。 なんだ、彼女さんか。と自己完結をした。 だけど俺はまだ抱き締められたままだ。 「ふぇっ」 なにこの浮遊感。ちょ、先生どこに行くの。抱き上げられ、そのままどこかに移動する先生。 ボフッ 移動先はソファー。思いっきり投げ捨てられて顔面強打した。いたい。 「先生?.........ヴっっ」 待て待て待て。乗っかって来んなし、どういう状況、重いから。 あーーもう!ちょっ待っ腕を拘束すな。 先生の動きは速かった。グルッと俺を仰向けにして、頭上で俺の両腕を片手で拘束した。なんと器用な。そして抜け出せない。きちんと抵抗はしたはずなのに。    くっっ、手がでかいの羨まし。 というか目がバチバチに開いてるんですけど先生ぇ。 と色々パニクってたら、先生のご尊顔()が降りてくる。 ああ、さすがホスト。男前な顔をしてらっしゃる。 でもさ、流石に近すぎな......... スゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ ぬああぁ、す、吸うな吸うな。 先生どうした。マジで。超心配なんだけど。 なに、とうとう忙しさであたおかになったの? ハァーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 吐くな。息吐くな。 どうしてこうなった。 状況を整理しよう。先生が顔を近づけたと思ったら、急に顔をお腹に埋めてパワー増し増しな深呼吸をしだしたと。 うん、よくわからない。理解と思考が追いつかない。 というかこの人肺活量が半端ない。お腹のあたりがめちゃくちゃゾワゾワする。ダイ○ンかっ。 どうしようもなく嫌悪感を抱いたので奥の手。先生の隙を見計らう。人の手頭上で拘束しといて、お腹吸うとか結構無茶な体勢だし地味に凄い。 時は来た。やはり体勢が辛く先生が身動いで、掛かっている体重が弱まった瞬間...... 「とうっ」「ぐえッ」 足が自由になったからちょっと膝蹴りをかました。チョットだよ。 無事先生の拘束がなくなり、しばらくぶりの自由を手に入れた。 バンザイ。 さてさて、先生が正気に戻ったようだ。 いったい何をしようとしたのか問い詰めようではないか。 楽しい楽しい尋問の時間の始まりだ。
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