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解決編
🐝伊達京介🐝
僕ら三人は遊歩道に来ている。夕暮れ時なため下校する学生や会社員が通行人としてすれ違っている。二人組のスーツの男の一人は階段の前で独り言を呟きながら話している。
「そっか、それで?」
数分前の出来事で不思議な体験をしたばかりの僕は、ジロジロ見られる視線の方が気になる。回想が終わり始まりの場面のシーンに戻っている。
ガリガリとのど飴を噛み砕く、八谷はいつも口に何かを含んでいないと落ち着かないのだと助手が教えてくれた。
「もうすぐで解決するから」
探偵の手を借りるのはここまでにして、子供の特徴を教えて欲しいと頼んだが無視された。八谷曰く『焦ると真実が見えなくなる』らしい。下校中の児童に聞き込めば、早く解決出来るのでは?助手のミツが、サングラスを外し胸ポケットに仕舞う。
「やばくな〜い!!」
「だよねだよね」
僕がこんな風に黄色い声をあげられたことはない。隣に立っているミツがイケメンだからだろう。
「ミツの兄ちゃんなに調べてんの?」
「うんとねー」
しゃがみこみ口元を両手で押さえるふりをしてスマホを捜査して裕也の写真を見せる。のほほんとしているとばかり思っていたが、人に好かれやすい性格みたいだ。
「このおじさん見かけなかった?三日前にいたんだけど」
「きららちゃんが落ちたとき助けてくれたよね」
教えてくれた小学生によるときららちゃんは足を滑らせ階段から転落していたのを救ったのが裕也らしい。
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