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ミツに三角を見送らせたのには理由がある。ミツなら話しやすいと打ち明ける依頼人が多いからだ。過去に関係した案件でもミツには話していることが多くあった。
「返事はいつもの合図でいい。何かわかったら通話状態にしたまま聞かせてくれ」
トン、トン・・・
手短に話しミツとの通話を終えた俺は、ミツハチ探偵事務所を施錠し、三角と関わりがある人物の場所へと向かっていた。
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三角の話しには二人の女性が登場している。その女性に話を聞くために、福祉協議会を訪ねる。
「田丸惠子さんはいらっしゃいますか?」
受け付けにいた男性に訪ね聞く。三角は、月曜日、水曜日、金曜日の週三日の頻度でヘルパーさんを頼んでいる。
玄関口で話している俺に受付の男性は、なにか聞きたげな表情をしている。口を開きかけたとき、福祉協議会の自動扉が開き紺色のシャツとグレーのズボン姿の女性の声が背後から聞こえた。
「ただいま戻りました」
「あぁ田丸さんいいところに」
受付の男性がほっと安堵の息を吐く。振り返り田丸を見て改めて名前を名乗り、名刺を差し出す。
「三角さんの件で伺いました」
探偵事務所の名刺を見せた人たちの反応は様々だが、彼女は驚いた素振りを見せずに苦笑を浮かべ呟く。
「また何かあったのね?」
この後俺は、田丸さんに案内されて別室へと向かうのだがヘルパー泣かせとして三角は有名なおばあさんらしい。
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