1兄貴のように慕ってた彼は

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 思い返していた僕を現実に戻したのは意外にもチャラ男だった。明るい彼が一瞬だけ俯き呟いた。 「ぼくと似てるね」  どうしてと聞き返す前に向かい側から質問返しにあう。置いてある名刺の右側を見る。 【ミツハチ探偵事務所。所長筒井八谷(つついはちや)】  パワーバランスに関係しているのか?【ハチミツ】だと甘く見られてしまうと思ったのか。僕が考えるのは後者だが、八谷がじっと見つめて返事を待っている。何の質問をされたのか?  ガリ、ガリ、ビリ。  噛み砕いた飴がなくなったらしく、二個目の蜂蜜入りのど飴を舐める八谷。 「そんな怖い顔で見つめちゃダメだって。もう一回聞けば?」  僕の真向かいに座るチャラ男が話に割って入る。見た目は明るい茶髪は耳元で均等に切り揃えていて、前髪をヘアゴムで留めおでこ丸出しで、整った顔立ちからイケメンよりも可愛い系男子に分けられるだろう。チャラ男と心の中で思ったのは、フレンドリーな態度からだが。 【ミツハチ探偵事務所🐝助手神里(かみさと)ミツル。ミツって呼んでね🤗】  名刺からも気さくな感じが伺えるのは、氏名のあとに彼の手書きの丸まっこい文字と顔文字から。 「伊達さんのお友達に白戸さんを恨んでいた人はいませんか?」  僕は思い当たることばかりで苦笑していた。微妙な空気がミツハチ探偵事務所に流れる。
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