美声のボディーガード

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いつもより濃い目のメイクで、ビュースタに入る。 すでにスタジオの外には、リスナーとおぼしき男性たち。局のホームページには、顔写真は掲載されているが、こうして生でお披露目(という程のものではないが)するのは初めてで、視線が突き刺さる。 「大丈夫です、今日も綺麗ですよ」 「あのねぇ、一歩間違えたらセクハラよ。あなたはこれから未来のラジオ会を背負ってくんだから、今からちゃんとしなさい‼︎」 叱ったつもりなのだが、柴田くんはフニャーとなり。 「久しぶりに先輩に怒られた。痺れます。もっと下さい‼︎」 「早く準備する‼︎」 「はい‼︎」 きびきび動くアシスタントを見、少し気持ちが和らいだ。そこは感謝しなくちゃね。 マイクの前に座った頃には__凄い人だかりだった。 かなりメイクの濃い涼子さんから、Qが出る。 「みなさーん、こんにちは‼︎愛子のなんくるないさ、今日はですね、なんと公開収録ということで、いつものスタジオを飛び出し、その一階で先ほどから皆さんの温かい視線の中、私もいつもよりバッチリ目にメイクをしたんですが、いかがでしょう?」 ガラスの向こうに問いかけると、綺麗‼︎愛ちゃん‼︎などと声援が掛かる。 「今のところ、私の顔を見てガッカリした人は居ないようで、皆さんホントにお優しい。それでは今日もお昼のひと時、皆さんに元気をお届けしたいと思います‼︎」
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