朝焼け 

10/102
前へ
/102ページ
次へ
「まーすーみさま」 下校時刻になり下駄箱に向かっていると、甲高い声が聞こえてきた。 振り向くとメガネをかけたおさげ髪の小さい女の子がいた。 「え~っと、たしか同じクラスの」 「白鷺さくらです!」 「ああ。いたいた」 「いたいたってひどいなあ」 「派手な名前だなって印象深かったんだけど」 「見た目は地味ってことですか?」 「いやいや。で、何?」 「あの!これ!読んでください!」 と、手紙を私の手の中に押し付けると、白鷺さくらは走り去ってしまった。 何これ。 不審に思いながら、封を切ると、ハート型におりたたまれた手紙が入っていた。 Dear真澄さま 初めてお会いした時から……。 まさか、これ……ラブレターじゃないよね。 女の子らしい可愛らしい文字を見ながら私はくらくらした。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加