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私の住んでいた町の面積は広かったけど、ド田舎で中学校が一つしかなかった。だから、そこには、町内の中学生が全部集まってきた。
一人ひとりの個性は違うはずなのに、集団になると出身の小学校によって色がついていた。
一番、人数が多かったのは、古くからこの町に住む人の子供が通っている小学校。ド田舎のヤンキーで、セキセイインコみたいな髪の色の子もたくさんいた。
二番目は、私の通っていた小学校。地元の人と新興住宅地の子が入り混じっていてどちらかというと、まじめでよく出来る子が多かった。
私が生まれたときに、両親はこの地域の新興住宅地の一戸建てを買い、この町に引っ越してきた。周辺は、大きな会社に勤めている、しっかりした家庭ばかりだった。互いに心の中は明かさないけれど穏やかで平和な日々。それなりに幸せな幼少期だったのだと思う。
だけど、「本当に」お勉強のよく出来るお金持ちの家庭の子は、誰も同じ中学校に進学してこなかった。数年前には人が刺されたって噂もあったから。
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