朝焼け 

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詰襟の男の子は中学生にしては、大人びた感じだった。鼻にクシャっと皺を寄せて、いたずらっぽい笑顔をしていた。 その隣には、体操服でスタートラインに立っている写真があり、細身で引き締まった体躯や、すらりと伸びた長い脚が印象的だった。 なんだって、こんな子が自殺しなくてはならないのだろう。私の隣で岸本も苦しそうな表情を浮かべていた。世の中は不条理なことばかりだ。 岸本はすっと背を伸ばすと、おじさんの顔をまっすぐに見つめた。 「今さら、辛いことを思い出させてすみません。兄ちゃんが亡くなった日のことを教えてもらえますか?」 「渉が亡くなったのは、もう二年も前のことだよ」 「兄ちゃんは、本当に自殺なんですか?足首にレンガがくくりつけてあったというのは本当ですか?さっき、渡辺さんから、その話を聞いて、すごい違和感がありました」 おじさんは、畳のへりを見つめながら、静かにお茶を飲んだ。
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