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巻末付録『渡辺綱を訪ねて』 上
綱ちゃんの生まれ故郷に行きたい。
突然、そう思った。何故かはわからない。恐らくは、ネット投票だったり、他作品に登場させて頂いたり、と本当にありがたい事の連続だったからだろう。
改めて渡辺綱という人物のゆかりを訪ねたくなった。
今から二年前、渡辺綱生誕の地である都内は港区にある當光寺にて色々話を聞かせていただいた。
しかしながら、當光寺さんに伝わっているのは(失礼ながら)あくまでも「伝承」であって「確証」ではなかったのを覚えている(でも、住職の話はめちゃくちゃ面白かった)。
しかし、後から調べてみると、渡辺綱生誕の地は都内は港区だけではなく、埼玉県の方にもあったことが判明した。しかも、有力なのはこちらだそう。だが…
「もう連載始まったし、キャラもできてるし、もういいや」
と自分の中で結論が出てしまい、取材に行く事はやめてしまった。
しかし、上記の通り、いきなり渡辺綱を改めて知りたい、ゆかりの地を訪れたい、と思ったのである。
そして、先週の火曜だったか水曜だったかで、綱の生誕の地にして、綱が祖父母の為に建立した寺、宝持寺に連絡をとった。
こうして、改めて綱を知る小旅行が始まったのである。
埼玉県は北鴻巣駅…ここに綱のお寺さんがある。少し寂しいベッドタウンで、そこをグーグルマップを頼りに歩くと、こじんまりとした寺があった。そう、このお寺が宝持寺だ。
「ようこそいらっしゃい」
人が良さそうな、メガネに作務衣の住職さんが出迎えてくれた。
「渡辺綱を知りたいとのことだったんでね、先ずはこちらから案内しましょう」
おお、特に何も言っていないのに…ありがたい。
最初に案内されたのは本堂内に飾られた綱の浮世絵だ。あ、これウィキペディアで見たことあるぞ!!
「これは今から十年前に地元の名士が作ったもんです」
あら、最近のモノなのね。
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