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そうしたら、そこから先は騒音だ。
だって、お姉ちゃんの食べ方がうるさいから。
顔を上に向けたまま、口にご飯を無理やり詰めるから、ご飯粒もその上の具材もぴょんぴょんどこかへ飛んで行ってしまうのだ。スープもうまく飲めなくて、ぼたぼたと机に散っていく。
「あっちゃあ、あっちゃあ、あちゃちゃあっ!!!」
お姉ちゃんの素っ頓狂な声が、甲高く、食卓に響き渡る。
その声があんまりうるさいので、私は、箸に触れることもできずにその場に姿勢正しく座っていた。
お兄ちゃんもお兄ちゃんで、何も周囲に関心を示さない。
口いっぱいにご飯を放り込み、上の空で本をめくり続けている。口の端からぼろぼろ物がこぼれていても、構わずぼんやり食べ続けている。
その食べ方があんまり汚いので、私は、箸に触れることもできずにその場に姿勢正しく座っていた。
二人とも、三分ほどでご飯を全てたいらげた。
そして二人は無言で席を立ち、さっさと自分の部屋へと引き上げていった。
お兄ちゃんは、本と携帯を交互に眺めながら、お姉ちゃんは、上を向きながら大きなげっぷをしていた。
当然のように、空になった汚い食器はそのまんまだった。
流し台に食器を置くことすら、してくれなかった。
わたしは、ただただ黙ってその場に姿勢正しく座っていた。
黙っていないと、吐いてしまいそうだった。
胃液をどばどば吐き出してしまいそうだった。
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