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悪霊の悲しき話
雨雲が広がり、空からは大量の雨が降っている。風も吹いており、外には人が居ない。皆、家の中に入っているのだろう。
「なんで、なんで僕。僕が……」
雨が吹き荒れる中、1人の少年が顔を青くし、裸足で走っている。
服はボロボロで穴が空いており、紫の髪も乱雑に切られていた。
少年は顔を歪め、何かから逃げるようにただひたすら走った。
どこに向かっているわけでもなく、目的がある訳でもない。
ただ、逃げたかった。
親から見放され、捨てられたという事実から──
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