マイム・マイム

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「―思い出したか。」  一瞬驚いたような表情をして、しかしすぐに呆れたような口ぶりで、 「そう、君が、君の妹さんに、水を浴びせていたんだよ。  そして、こう言った。」 「『絵が、完成した』ってね。」  当時の自分と目の前の友人、二人の声が重なって聞こえた。  私が妹の絵に水をかけた理由。  それは、ある時分から、自分が彼女の絵を描き続ける理由が、もう一つあることに気づいてしまったことにある。
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