尻の下。

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 うっとりと語るそんな言葉に、他の従姉妹等も共感し頷く姿が。旭だけは全く持って面白くない。己の味方がおらぬのだから仕方無かろう。其れはそうと、何故同じく主役である己へ酒の一杯も注がぬのかとも。更には、旭を置いて姫等のみで語り出す始末。退屈になった旭は、何気無く冷泉の方へ遠慮がちながら目を向けてみた。従兄弟等と何やら笑みを浮かべ話をしている様子。先程も思うたのだが、ちゃんと笑えるのではないかと。何故、己へはああも重い空気を醸すと不満も湧いて。  そんな事がありながら、終始良い雰囲気であった披露宴。従姉妹等は勿論、冷泉に夢中だ。筆頭格揃う従兄弟等の方でも、話してみると砕けた楽しい会話が出来たと好印象。  帝である佳宵も、東宮妃なる冷泉の評判へ安堵し上機嫌で在られたと言う。先で后妃の地位を持つ冷泉が、皇家の筆頭格等に受け入れられた事は、旭にとっても重要であると。心配する旭との仲も、時が解決し良い友となれるやも知れないと前向きにもなれたのだから。  しかし。旭はと言うと、まだ後ろを向いたままで。 「――ま、待たれよっ……!」  昨夜と同じく、御帳にて繰り広げられる御戯れ。冷泉へ身を倒された旭が居た。のだが、又も初夜が荒れる。 「皇子。もう、めおととなり二日目ですよ。御披露目迄済ませたと言うのに、何が御不満なのです」  冷泉は、理解出来ぬと眉間へ皺。しかし、旭も此処は強気に。 「我等は男子同士ですっ。そう容易く受け入れられませぬっ」  思い切って、訴えた旭。冷泉は、一度身を戻し旭を解放してはくれた。だが、其の瞳はやはり厳しく。
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