コンスタンチェという友がいて

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「陛下、正気ですか? お父上とお母上殺害の罪は問わずに、あの、たかがを殺めた罪でこの者どもならず、私めまで有罪ですと……?!」 「お黙りなさい! 、とは何様のつもりですか! コンスタンチェに失礼極まりない!」 「ですが、人形は、所詮、人形です!」 「……黙れと言っておろう!」  私の一喝に、法廷内は一瞬にして静まりかえった。 「彼女が人形であろうとも、赦せぬものは、赦せませぬ……これにて、閉廷とします!」  衛兵が足音高く、泣き叫ぶ罪人と、視線を床に投げては唇を噛むダンテに駆け寄っていくのを背後に感じながら、私はドレスの裾を翻し、振り返ることなく法廷を出た。  裁判所を出ると、陽のひかりと、どこまでも蒼い空が頭上に広がっている。 「コンスタンチェ……! 仇は取ったわよ」  そして、その眩しさに眼を細めながら、私は独り言つ。 「……できれば、あなたともこんな青空の下で遊びたかったわ……」
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