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樹里を最後まで殺してしまわないと、この怒りはきっと消えない。
「これはイジメじゃない。生半可なところでは終わらない。わかる?」
「うぅ……ごめん……なさい」
今更謝っても遅い。
それに、謝罪はあたしではなく伊代に言うべきだ。
あたしは知らない間に口元に笑みを浮かべていた。
そして壊れた人形のように樹里を殴り続ける。
その音だけが静かな廃墟に無限に響き割っていく。
「ふふっ……あはははははっ!」
気がつけば外はオレンジ色に染まっていて、夕方を告げるチャイムが聞こえてきていた。
手を止めて樹里を見下ろす。
その顔は真っ赤に染まり、鼻は陥没し、目はつぶれていた。
いつの間に死んだのだろう。
そんなことにも気がつかなかった。
あたしはよろりと立ち上がり、部屋を見回した。
重行、一樹、樹里の死体が転がっている。
「あははははははっ!」
自分の手は真っ赤に染まり、体力の消耗によって体はフラフラだ。
それでも笑いが止まらなかった。
ついに復讐に成功したのだ。
伊代を追い詰めたやつら全員を殺してやった!
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